やっかいものを味方に
真っ青な海に面した岩肌に、色鮮やかな緑の葉とうす紫の小さな花が揺れる。島が目にもまぶしいほど輝き出す夏。温暖な地域の海浜で群生するハマゴウが、夏の訪れとともに小値賀で見られるようになります。古くは浜未浜比(はまはひ)と呼ばれたように、浜を這って枝葉を広げていくので島では少しやっかいもの。護岸整備のために全国的には減少しつつあり、一方で貴重な存在となっています。薬学に度々登場するハマゴウ。果実の蔓荊子(まんけいし)は神経痛や手足のしびれを取り除く効能があるとされています。やっかいものだからこそ味方にすれば大きな力。ハマゴウ茶はやっかいものを味方につけた産品です。